エロと本当の差別

身体障害者が出演しているAVがある。『ハンディキャップをぶっとばせ』というタイトルだ。これを聞いて「障害者を見世物にするとはけしからん!」と感じる人はどのくらいいるだろうか。


はっきり言う。その人は差別をしている。しかもその人は自分は加害者だと思っていない(むしろ善人だと思っている)最悪の差別者だ。


ちなみにこのビデオはかなり古いものだけどいまだにお蔵入り状態。ビデ倫の審査が下りなかったからだ。もともとビデ倫は警察の天下り先。基準なんて自分で考えていない。関心事は他から抗議が来ないかだけ。差別であろうとも、面倒くさいことになるよりはマシだから禁止。本当に腐ってやがる。


出演している男優は3人。全員自分からAV製作会社に応募してきた。その人らの話だと障害者にとって『性』はとても切実な問題だそうだ。やりたくってしかたないのに、そういうことを口に出来る場所がない。養護学校ではそういうことを話すこと自体が汚らわしいという雰囲気があるそうだ。


高齢者や障害者をメインの客層とするデリヘル『Purelove』http://www.purelove.tv/の設立趣意の一部を引用させてもらう。


日本社会の現状では、障害者・高齢者の性は「タブー視」されていると思われます。そこから起こる不幸な事例は限りなくあります。私たちはそのことに目を伏せるべきではありません。食事の介護や更衣の介護と同じように、性処理への手助けを捉えることは非常に難しい面があります。自分でマスターベーションもできず、風俗店に行きたくても人の手を借りなければならず、何とか風俗店に入店しても断られてしまう、実際、風俗店の前で悔し涙を流した男性もいたのです。


これが現実。世の中には心からエロを必要としている人がいる。


キレイゴトになってしまうかもしれないが私は差別が嫌いだ。障害者=タブーであってはならない。障害者は健常者(って単語は大ッ嫌いなんだけど私の語彙力が足りなくて使わざるを得ないのがカナシイ…)と変わらない人間だ。障害者にもチンコがあるし性欲もある。そんなこと当り前じゃん。AVに出たけりゃ出ればいいし風俗に行きたけりゃ行けばいい。本当のバリアフリーってそんなところからじゃないかなぁ。


ここらへんは障害者に対する見えない差別だけじゃなく『エロ』に対する差別も絡んでくるね。エロへの差別についてはまた今度の機会に。


参考
危ない1号
エロ本編集者入門


関連リンク
古い記事だけどハンディキャップをぶっとばせの監督の作品
日本初!聴覚障害者向け字幕付きAV
http://www.livex.co.jp/okonomi/9902/AV.html