知人の死

2年前の年末に中学の同窓生が車に轢かれて死んだ。
絵の上手いイイヤツだった。
バイトの忘年会の帰りに後ろから車がぶつかってきた。
相手は酒気帯び運転。
成人式間近のことだった。
イイヤツだった。誰よりも『善』にいたヤツだった。
ひねくれものの私とは何度か口論になった。
お互い自分の意見を曲げようとしないいんで結論は
見えなかったけど。そういえば頑固者って言われたな。



私はその日、ボーっとテレビを見ていた。
ニュース番組。
そこで地元の地名が出てきた。
「おっ!事故か。近いぞ、どこだ?」


画面に出てきたのは知った名前と死亡の文字。
頭が真っ白になった。


人は死ぬ。いつか死ぬ。必ず死ぬ。それは条理。
そんなことはわかってる。
でも、こんなのってないよ。不条理だよ。



遺族から同窓生あてに手紙が届く。
その内容を一人でも多くの人に伝えたい。
ほんの少しだけど載せるので目を通してください。


飲酒運転してはいけないことをあなたの言葉で、
近くにいるひとに伝えてください。
場がしらけてしまうかもしれません。
口喧嘩になるかもしれません。
でも命が失われること、
そして運転する人の人生がくるってしまうことを考えたら
ぜひ、伝えてください。お願いします。


法廷で、娘と友人を殺した男の妻は
「酒に強いので運転できる」と証言しています。
私たちは、この犯罪を 罪を犯した男を 
近くにいて飲酒運転を止めなかったひとたちを 
永遠に許すことはできません。


私たちは目をつりあげ、泣きながら
生活しているわけではありません。
穏やかにいつも通り生活しています。
楽しいことがあれば笑います。
いつでも連絡して遊びに来てください。
待ってます。



偽善者と言われてもかまわない。
実際自分でもそうだと思うし。
でもたとえ偽りでも自分は善でいたい。
少なくとも悲しむ人は見たくない。


この日記を読んだ人が一人でも一回でも
飲酒運転を注意してくれたら
これほど嬉しいことはありません。
『刑法で刑罰が定められてるから』ではなく、
悲しむ人を出さないために。お願いします。