4月18日に書いた松文館事件の続き。事件の発端となった高校生の親の手紙の全文を載せてみますね。まずはご覧くださいませ。


 拝啓

 突然のお便り失礼いたします。

 私は、高校2年生の息子を持つ一父親ですが、偶然息子の机の中に卑猥なマンガ本を発見し、その内容に愕然としました。 タイトルは「姫盗人」
 発行者:****
 発行所:(株)松文館 〒171−0014 
 東京都豊島区池袋*−**−* ****ビル3F
 Tel 03−****−****


 そのマンガは、男女性器は詳細かつ卑猥に描写され、その内容も、 近親相姦、母子セックス、レイプなど尋常ではありません。 ヘアーヌード解禁になったのはよく承知していますが、こういった性器の 具体的な描写を伴うような出版物の発売は、明らかに違法ではないか、 きっと取締機関の方で気が付かないだけだと思い、藁をもすがる思いで筆を執りました。


 大人向けの雑誌なら未だなんとかなります。
 しかし、この本は、表紙を子どもが普通に読んでいる子供っぽいものに細工して青少年が店先で買いやすいようにしてあり、購買層として青少年をターゲットにしているのは明白です。極めて悪質、巧妙です。

 青少年が、性に対する知識を、こういった近親相姦、レイプなど極めて不健全、変体満載のエログロ本から得ることは、必ず性犯罪につながります。

 なんら、社会に与える影響など全く考慮することなく、金さえ儲ければいいという発行者の姿勢には強い憤りを感じます。

 また、本には、上述のように住所電話番号まで堂々と明記し、さらに「過激さに自身あり」などと平気で書かれているのは取締機関への挑戦です。

 まだ日本は、刑法、都道府県条例などによって、こういった本の発売は禁止できる良識ある社会だと確信しておりますので、どうか、こういった本に対し、早急に調査をしていただき、発禁処分にしていただくよう強く要望します。このままでは、うちの息子のみならず日本の青少年の将来はありません。切に宜しくお願いします。


 敬具



う〜ん、頭の悪い私にも判るぐらいおかしな部分がありますね♪ちょっと訂正してみますわ(文脈等がおかしい部分が多々ありますが、なんとなくやりたいことがわかっていただけたら幸いでございます)。



  拝啓

  突然のお便り失礼いたします。

  私は、高校2年生の息子を持つ一父親です。息子のことを信頼しておりませんので机の中を検査していたところ、卑猥なマンガ本を発見し、その内容にカルチャーショック&ジェネレーションギャップ。息子と対話すれば済む話なんですが、本来の責任を放棄し投書いたしました。

 
 このマンガは、男女性器は詳細かつ卑猥に描写され、その内容も、近親相姦、母子セックス、レイプなど読者のズリネタとしての役割を果たし、性犯罪を予防してくれることでしょう。ネットでだれでもモロ画像が見れるようになったのはよく承知しています。こういった性器の具体的な描写を伴うような出版物の発売も事実上解禁状態で、商業誌コミックスに警視庁のほうから警告が出たことは一度も無いんですよね。

 大人向けの雑誌でなかったら未だ犯罪かもしれません。
 しかし、この本は、表紙に『成年向け雑誌』と書かれ、青少年が店先で買うことができないようにしてあり、購買層として成人男性をターゲットにしているのは明白です。極めて正当、巧妙です。

 青少年が、性に対する知識を、こういった近親相姦、レイプなど極めて不健全、変体満載のエログロ本(笑)から得ることは、必ず性犯罪につながる、と勘違いしている方が多いようですが、それはあくまで相関関係であって因果関係ではありません。

 松文館は社会に与える影響などを考慮していたのでゾーニングを推奨し、金さえ儲ければいいとは考えず、成年コミックのビニール(通常本屋負担)を提供したりする姿勢には感動すら覚えます。

 また、本に住所電話番号まで堂々と明記するのは、まっとうな出版社なら当たり前のことですし、さらに「過激さに自信あり」などと書かれているのは、資本主義社会なので差異化を図るための広告戦略として普通のことです。

 まだ日本は民主主義国家で、国が好き勝手に摘発・拘留などしないと確信しておりますので、どうか松文館に謝罪し賠償することを強く要望します。このままでは、松文館のみならず日本の漫画業界の将来はありません。切に宜しくお願いします。

 敬具



こんなカンジっすかね?